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「広まるか、樹木葬」 森林ジャーナリスト 田中淳夫氏

http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakaatsuo/20130625-00025966/

※途中より転載※

そして重要なのは、これが自然再生推進法にのっとり、人の鎮魂と里山の再生を目指している点だ。
「樹木葬」は、埋葬と同時に自然の保全が目的なのだ。

こうした埋葬の仕方は、世界各国で広がっている。世界的には、緑の埋葬「green burinal」という。
1990年代に欧米に登場した。墓地を生物多様性保全のための聖域(サンクチュアリ)として活用しようという考えだ。

この考えは、1996年にアメリカ西部のベリー・キャンベルという医師によって提唱された。 自然保護区に埋葬を行うことで、自然を保全するのである。 実際にサウスカロライナ州のラムゼイ・クリーク自然保護区などが指定されている。

イギリスでは土葬された棺の上に木を植えて、その成長とともに故人をしのぶという風習が根付いている。 火葬の場合は、日本のように形のある遺骨ではなく、完全に燃焼させ粉末状の遺灰として、 遺族は引き取った遺灰を故人の墓の周りやメモリアル・ガーデンと呼ばれる公園墓地、 または故人の思い出の地や自宅の庭などにまく。
それらの地には、花々や木々が植えられ、自然の美しい公園のようになるのだ。

そのほかドイツやスイスも結構進んでいるが、意外なことに韓国では、国が主導して樹木葬を広めていた。

もともと韓国は儒教の影響からか土葬が多く、しかも一つの墓に結構な面積を費やしていた。 それが森林破壊を生み出すまでになったという。
すでに国土に占める墓地面積は1%を超え、その墓地面積も一人当たりで住居の3〜4倍も当てられていた。 おかげで墓地不足もひどくなったのだ。

1990年代にキャンペーンが繰り広げられ、政府は火葬を奨励するようになったが、さらに樹木葬も推進した。
墓地の造成で森林を壊すのではなく、埋葬で森を作り出そうという発想だ。 そのため制度も整備して、国有林も提供したらしい。

墓参りが森林散策になるし、山村と町の交流にもなる。 そして一定のお金を地元に落とす。地域振興にもなるわけだ。
もちろん森林造成と保全にはもってこいだろう。


以上転載
※海外での樹木葬の模様が詳しく紹介されていたため、資料用に転載させていただきました。

残念ながら、日本での樹木葬は、発祥こそ里山保全の想いはありましたが、田中淳夫さんがブログでご指摘の通り、近年は、墓石が樹に変わっただけのお墓のかたちというだけに過ぎない傾向になりつつあります。

これはいろいろな理由があるでしょうが、里山保全という名目では実質的な埋葬ができない「墓埋法」の要因が大きいかと思います。

「墓埋法( 墓地、埋葬等に関する法律 )」に、遺骨は墓所以外に埋葬してはいけない、と明記されているのです。 ですから、いくら里山を守ろうという清らかな志だったとしても、普通の山に遺骨を埋めてはいけないのです。

それならば、「散骨」はどうかというと、こちらもどうやらグレーの状態です。
※自治体によっては、禁止しているところもあります。

→ 散骨のできる場所とできない場所


というわけで、今の段階では、裏山を持っているお寺さんが「里山保全」の名目で、自然葬に近い形の樹木葬を行うか、旧来の墓石型のお墓の石が、樹に変わっただけの樹木葬がメインの状態です。

散骨がもっと世間的に認知され、「遺骨=不浄なもの」という迷信じみた考えが薄れたら、 もしかしたら里山を保全する目的で、自然に樹木葬が行えるようになるかもしれません。

十年後、二十年後の樹木葬は、いったいどうなっているでしょうか?


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